エコツアー・ドット・ジェイピー









◆ ◆ ◆ ◆ ◆

オランダ留学通信

 第3回 

干潟渡りが最高!
3泊4日の海岸線トレッキング

エイベル・タズマン国立公園
2004年3月1日着信


アワロアの干潟を渡る。足下は貝殻だらけで痛い。


 こんにちは。南 天愛です。 ニュージーランドは夏だと言うのに本当に寒い日が続いています。。。 ご縁のある方にお送りしているニュージーランドからのレポートです。 毎回しつこく長いのですが、、、読んで頂ければ幸いです。私は、ネルソン(Nelson)→カイコウラ(Kaikoura)→クライストチャーチ(Chirstchurch)と移動中です。


 エイベル・タズマン(Abel Tasman)国立公園の海岸線沿いトレッキングに行ってきました。以前、ここでシーカヤックをした際にその一部を歩いたのですが(詳細はこちら、全行程を歩いてみたいと思っていたのです。
 この国立公園は国内最小の大きさなのですが、訪れる人は最も多いのだそう。全長51kmのコースは、グレートウォーク(GreatWalk)にも選ばれています。ここのトレックのおもしろさは、引き潮でないと渡れない湾が数カ所あるところ。湾によって若干異なるけど、干潮の2〜3時間の間に渡らなければならないのです。もちろん迂回路もあるけど、やっぱり干潟は最高です!
*GreatWalk:ニュージーランドのトレッキングルートの中で、特に人気ある9カ所のルート。


 

笑顔で出発。でも食料が重い

 2月7日土曜日、午後3時半にトタラヌイ(Totaranui)を笑顔で出発。一般的には、マラハウ(Marahau)から北へ向かう人が多いのですが、私たちは南北に伸びるトレック(山道)を南へ向かいました。最初は勾配が多少きついのですが、後半戦はほぼ平らな道だったので結果的には助かりました。
 メンバーはドイツ人で、サイモン(Simon)とアニカ(Anika)の男女のカップルと、カトリーン(Katrin)という女性。19歳と20歳です。みんながっちりした体格で、大きく重たいバックパックを背負っても何てことなさそう。私のほうはというと、出発して少し歩いただけで20kgのバックパックを背負って歩き通せるのか不安になりました。とにかく食料が重いのです・・・。


左からサイモン、アニカ、カトリーン。



私の食料。ドイツ人が仲間だから自家製パンを各自1本!。 重たかった・・・。


 まずはゴート(Goat)湾の海岸を歩きました。まさに海岸トレッキングで、とても気持ちが良いです。少し海岸を歩くと次は森の中を歩くというコースで、森の中には木性シダがいたる所にででーんとある存在感ありありなのです。
 初の干潟渡りは、干潮になる時間も確認済みだったので問題なしでした。干潮の海は裸足で歩くととても気持ちよいのだけど、貝殻がヤワな足裏に刺さって痛い。多くの外国人トレッカーは干潟でも森の中でも平気で素足で歩いているのに。耐えようと思っても、バックパックの重みでとにかく痛いのです。足元に気をとられて周りの景色が楽しめないため、あきらめてサンダルを履きました。
 トレッキング中は小雨がぱらついたり止んだり。ふと気付くと灰色がかった空に、七色の虹が浮かんだのを見つけました。干潟に虹。虹の先端は雲の中に消えています。地上から雲への掛け橋。心が一瞬、虹を渡り雲の中に入っていきます。とてもキレイでした。


キャンプサイトが見つからない!

 アワロア(Awaroa)に到着。途中には小屋(Hut)とDOC(森林保護局)のキャンプサイトがあったはずなのですが、湾を斜めに渡ってしまったために、そこを越えてしまったようです。メンバーが疲労していたせいもあり、進むか戻るかでちょっとモメましたが、10分進んでテントを張る場所が見つからなければ戻ろうということになり、先へ進みました。事前の計画はホント大切ですね。
 結局、私有地の空地を見つけ、たまたまオーナーに会うことができて、キャンプの承諾が得られたようです(サイモン談)。
 私有地にはステキなロッジがありました。バックパッカーズの私たちには縁遠い施設ですが、国立公園内に私有地があるのはとても違和感があります・・・。この後にも何カ所かこういった施設を見つけました。もともと土地を所有していたのかな? 疑問が残りました。
 キャンプサイトが見つかった時には、すでに19時半を回っていました。DOCのワークシートによれば、「アワロア←→トタラヌイ間、1時間、5.5km」とあったのに、キャンプサイトを探した時間を除いても、2時間以上はかかっていたはず。これ以降、私たちはこのワークシートの時間をあてにしてはいけないと肝に命じました。
 テントを2つ張り、ひとつはサイモンとアニカのカップル、もうひとつをカトリーンと私が使いました。なぜか簡易トイレもあり水道もある空地だったので、快適なキャンプになるはずだったのですが、夜は最悪でした。ニュージーランドにいる「サンドフライ」という小バエの襲撃に会ったのです。これに刺されるともう最後。どうがんばってもそのかゆみには耐えられないのです(3週間たってもなおかゆい!)。
 夕食は冷たいクリームコーンと、サイモンが各自一本ずつ焼いてくれたジャーマンブレッドを頬張り、なんとか寝床につきました。


1日目のキャンプ。サンドフライの襲撃に遭う。


道が海の中に! 水着のない私は・・・

 2月8日日曜日。11時半に出発し、しばらく森の中を歩きます。森の茂みの中から時折クリームソーダ色の海が見え隠れし、一瞬の清涼剤になってくれます。
 ほどなくオネタフティ(Onetahuti)湾に到着。でも道が途中で海の中へ落ち込んでいる! ここも干潮前後じゃないと渡れないのに、確認するのを忘れていたのです。
 さあ困った。でも潮が引くのを待つメンバーではありません。すぐに服を脱ぎ、唯一の男性であるサイモンが大きなバックパックを頭の上に載せて少し離れた向こう岸へ。そして次々と全員のバックパックを運んでくれました。その頃には二人の女の子は水着で海を渡りはじめて大はしゃぎ。私はと言えば・・・、水着を持って来るのを忘れていたのです。でも躊躇せず下着姿になって海へ。これはけっこう気分爽快でしたよ!(Excuse me!)


オネタフティ湾。ここを渡ることになるとは・・・。


悪夢にうなされるカトリーン

 トンガクアリー(Tonga Quarry)に到着。今日は2時間しか歩いていませんが、このまま泊まることにしました。目の前にトンガ(Tonga)島がある海洋保護区(Tonga Island Marine Reserve)なので、その美しさは際立っています。砂浜に寝ころがると、頭の中はからっぽになります。その後、アニカとジョギングに出かけましたが、トラックが急に勾配のきつい坂になっていたので、一瞬にして終わってしまいました。
 今日の夕食はラザニア缶とジャーマンブレッド。味が濃いのに、とても美味しかったです。
 その夜、同じテントの隣で寝ているカトリーンが、何度かものすごい叫び声を上げていました。「シャーッ! シャーッ!」。悪い夢でも見ているのかなと思いながらも、疲れていた私は眠りの底に落ちました。


トンガ島の海洋保護区。美しいでしょ♪



2日目。夕食を温めるカトリーン。この缶がその晩「えじき」になった 。


 翌朝、カトリーンに尋ねました。
 「カトリーン、どうしたと?」(博多弁です。ほんとは英語で話していました)
 「昨晩、ポッサム気付いた?」
 「え、おったっけ?」(「いた?」の意味です)
 「すごい叫んでたでしょ?」
 「えっ、あれってカトリーンじゃないと??」
 そ、そうなのです。あの叫び声は有袋類のポッサム(フクロネズミ)だったのです。サイモンたちがテントの外に置いたゴミ袋は引き裂かれ、缶なども散乱していました。びっくりです。でも、あの声をカトリーンだと勘違いしていた自分に一番びっくり。カトリーンもアニカもその声が怖くて眠れなかったと言うのに・・・。
 なお、ニュージーランドではポッサムが異常繁殖してしまったので、その駆除に励んでいるそうです。DOCのパンフレットを後で読むと、「くれぐれもゴミ袋を夜間外に放置しないように」と書いてありました・・・。ちゃんと注意しないといけないのに、反省です。


怪しまれた?

 2月9日月曜日。10時半出発。アンカレッジ(Anchorage)を目指します。今日は少し頑張って歩かなきゃ。
 森の中にはたくさんの鳥たちがコーラスを響かせています。Bellbird(ニュージーランドミツスイ)、Fantail(クジャクバト)、Pigeon(ハト)、Tui(エリマキミツスイ)が主な顔ぶれ。ハトと言っても日本のとはかなり違います。まるまるとしていて綺麗な色をつけているのです。ブッシュウォークをすると必ず見かけることができます。
 バーク(Bark)湾は、干潮には程遠く、迂回路を行くことにしました。ここを越えるとフォールズ(Falls)川。公園内唯一の吊り橋があります。吊り橋は本当に質素なもので、一度に2人以上は渡らないように書いてあるほど。かなり揺れて、楽しい!


フォールズ川にかかる吊り橋。国立公園内の橋は必要最小限に作られている。


 しばらく森を歩くと、いよいよ最後の干潟歩き、トレント(Torrent)湾です。30分ほど待って、干潮になる前に渡り始めます。今回は服を着たままでOKでした(笑)。
 干潟にはさまざまな貝殻があるのですが、なぜか全体的に緑色に染まっています。苔ではなさそうなので不思議でした。
 渡りきって1時間ほど歩くとアンカレッジ(Anchorage)のキャンプサイトに到着。ここの海岸には不思議な大きな岩がありました。海岸に置いてある感じなのですが、トンネルもあり、かなりの大きさです。たくさんの文字も彫られていました。岩の上には緑も茂っていて、それだけで島のようにも見えます。


島のように見える不思議な岩。


 テントを無事に張り終えてビーチでくつろぎ、テントサイトに戻ると、DOCの女性が見回りにやって来ました。
 ヤバイ!
 私たちが出発した時にはDOCオフィスが閉まっており、キャンプサイト・パス(一泊$7/テント)を買わないままトレッキングをしていたのです。もちろんその場でパスを購入しましたが、かなり怪しまれました。
 毎日21時頃にはテントに入って寝てしまいます。懐中電灯を付けてまで本を読んだり何かをしたりするのは、テント生活には合わないし、体も不思議とその生活に適応するからびっくりします。
 カトリーンに「今日は叫ばないように」と頼んでから眠りにつきました。


最後は鼻歌まじりでゴール

 2月10日火曜日。今日のトレックにはアニカは参加しません。水上タクシーで出発地点のトタラヌイ(Totaranui)に戻り、車で私たちを迎えに来てくれることになったからです。
 10時過ぎに出発。ここからは、前にも歩いたことのあるトレックだったのですが、改めて楽しむことができました。アンカレッジからマラハウまでの道のりは海岸線沿いが多く、ほとんど海を見ながらのトレッキングになります。しかもコースが平らなことに加え、アニカに荷物を預けてしまって重いバックパックを背負わずに済んだので、鼻歌まで飛び出してくるほどでした。
 そうそう、この3日間で、歩きながらドイツ語の歌をひとつ覚え歌えました。私が歩きながら、「となりのトトロ」の“歩こ〜、歩こ〜、私は〜元気〜!”と歌っていると、カトリーンが興味を持って一緒に歌い、彼女も私に歌を教えてくれたのです。ここで覚えた歌が、その後ドイツ人と出会うたびに私が歌って聞かせることになったのですが、こういうかたちで歌を覚え、友達の和を広げることになるなんて想像もしませんでした。ひとつ、「宝が増えた」感じです。
 そうこうする内になつかしい桟橋が目の前に現れ、マラハウに到着したことが分かり、正直ほっとしました。


 3泊4日。合計13時間38km歩いたトレッキングでした。初めて足にマメをつくった旅でもありました。
 このトレッキングを終えると、2カ月住んだネルソン(Nelson)を離れることにもなるので、2カ月の思い出がひとつ浮かんでは消え、またひとつ浮かんでは歩いた・・・という感じでした。寂しかったことや苦しかったことを思い出すと、体もきつくなる。けれど、楽しかったことや嬉しかったことを思い出すと体も軽くなるのです。本当に心と体はひとつ。いいトレッキングでした。


***** Mainly FinePrices *****
*DOC Tentsites(@7*2nights,1night free) / $14
*petrol&water taxi for Anika / $10
*Food etc./$36
**TOTAL:$60**


みなみ てんあい プロフィール
1975年福岡市生まれ。幼少より空想好きな性格。地元で大学を卒業し、まずはホテルへ入社。広報とブライダルに携わる。が、不思議な縁でコンサル会社に転職し、2001年『九州のムラ』という本や人々と運命的な出会いをする。本の販売管理に九州のムラやマチを周る。エコツーリズムに興味をもち、また海外生活を経験したいという小さい頃からの夢の実現に(三十路を前にしての焦りも加担し)、退職してニュージーランドへ飛ぶ。
*『九州のムラ』はこちら


なぜニュージーランドに行くことに?
「九州のムラ」に出会って、エコツーリズムを知る。海外へ行きたいという何の目的もなかった夢に、「エコツーリズム」というキーワードを見出し、なぜか、アメリカとニュージーランドを比較。「同じ金額のお金を持って行くなら、ニュージーランドの方が長く滞在できる!」という安易な理由で、最終的には決定。また、その「小ささ」に惹かれた。

◆ 南天愛のニュージーランド・エコツアー通信 ◆
これまでの話

第1回
第2回 砂の岬にシロカツオドリのコロニーを訪ねる

◆ ◆ ◆ ◆ ◆


Copyright(C) 日本エコツーリズムセンター NATIONAL ECOTOURISM CENTER All rights reserved .