エコツアー・ドット・ジェイピー


オランダ留学通信

第15回
雅子妃も癒される緑の楽園「ヘルダーランド州」

upload:2006.08.26


サイクリング途中にお昼寝。
  正面は聖ヒュベルトゥス・ハンティング・ロッジ。


雅子様がご静養中のアペルドールン市は、ヘルダーランド州(Gelderland)にあります。 ここはオランダに12ある州のなかで一番大きく、緑深い森や、ヒースの咲く砂丘、湿原など変化に富んだ景観がご自慢。鹿や野生の山羊、いのしし、色とりどりの野鳥、きのこ、などもたくさん見かけることができる上、お城や美術館、博物館が点在し、ロマンチックなヨーロッパのイメージが顕著なところです。

皇室が滞在するヘットロー宮殿(Het Loo)は普段、博物館として一般市民にも開放されており、美しい庭園とともに見学自由。でも、私はまだ行ったことがないのでちょっと残念。これをきっかけに一躍、日本人観光客のメッカになるかもしれません。

また私が在籍していたワーゲニンゲン大学も、このヘルダーランド州にあるので、今から留学したい人に<皇室御用達州の大学院>としてお勧めしたいと思います(笑)

なにはともあれ、心配なのは雅子様。ヨーロッパの中でも、もっとも開かれた王室といわれているオランダで静養すれば、さらに、保守的な日本とのギャップに悩んでしまうのではないか……と考えてしまうのだけど、 杞憂でしょうか。
ベアトリクス女王が、護衛もつけずに、街のチョコレート屋さんに買い物に行き、外国人VIPが来ても、公共交通のトラムに乗って案内してしまうこともある、ちゃきちゃき庶民派であるのは、有名な話。そんなことが許される国で、2週間、オランダのロイヤル・ファミリーと一緒にすごせば、我が身の“自由のなさ”を嘆き、オランダの“大らかさ”を渇望しても不思議ではありません。
とりわけ、異国の多様な価値観の中で育って来た“プリンセス雅子”なだけに、いったん閉じ込めた自我が、再び、ムクムクわきあがってきてしまわないかしら。

専門家ではないのでわかりませんが、一種のショック療法なのでしょうかね。ま、レベルは全然、違いますが、昨年、とある日本の超保守的な組織で1年働き、オランダと日本の差異をまざまざと肌で感じた私としては、まんざら遠くの出来事でもないのです。

ところで、次期王様の奥方、マキシマ王女は、4年ほど前、時の人だったので、そのとき仕入れたワイドショー的エピソードを少々。彼女は元々アルゼンチン人。NYでキャリアウーマンとして働いていたときに、王子様と恋に落ちたのだとか……。父親は、アルゼンチンの軍事粛清時代の政府要人で、婚約当初、「そんなヒットラーの娘のような人物を王家に迎えるわけにはいかない」「いや、あくまで父親の問題だし、彼女自身の人柄とは関係ない」と、オランダ国内で喧々ごうごうでした。

が、彼女は死に物狂いでオランダの言語や文化を習得し、短期間で、皆も驚くほど、流暢なオランダ語を習得し、周囲に溶け込んでいったため、「心からウィレム王子を愛し、本気でオランダ人になろうとしているんだ」といたく国民を感激させ、気さくな人柄とブロンドのチャーミングな容姿とあいまって、今ではいつも人気投票ナンバーワンに輝く王女様です。
(ここでちょっと言っておきますけれど、国際的にブロンドはやはり美の代名詞のようで、ほーんと、なんでぇ? というくらい皆ブロンドにメロメロ)

またオランダ語は一般に難解といわれ、国際的にもスペイン語やフランス語と違って通じる場所も少なく、学ぶ動機にも欠けるため、外国人はついつい英語でとおしてしまいがち。それだけに、自分たちの言葉をしゃべろうと努力する人たちを、愛おしく感じるらしく、心から受けいれてくれます。フェイエノールトにいた小野選手もそうでした。インタビューもオランダ語で受け答え、どれほど国民が喜び、彼の大ファンになったことか。

話は横にそれましたが、雅子様も婚約当初、カネミ油症で問題になった会社「チッソ」の会長の孫ということが問題視されたり、NY在住経験があったりで、共通項が多く、きっとマキシマ王女とは気心が通じるのではないでしょうか。

さて、前置きが随分長くなってしまいましたが、ヘルダーランド州が誇るデ・ホーヘ・フェルウェ国立公園(Het Nationale Park De Hoge Veluwe)を今回、写真つきでご紹介。1935年設立の国内2番目に古い国立公園で、面積は5500ヘクタール。……ピンときませんね。これって、伊勢神宮(内宮の宮域)か、世田谷区よりちょっと小さく足立区よりちょっと大きいくらい。

園内には、世界第二のゴッホコレクションを誇るクロイラーミュラー(Kroller-Muller)美術館や、ミニチュア城のような聖ヒュベルトゥス・ハンティング・ロッジがあり、サイクリングしながら、ちょっと立ち寄るのに最適。サイクリング道路は全長42Kmあり、1700台の白バイクが無料で利用でき、好きなところから出発し、好きなところで乗り捨てできるので、とっても便利ですよ。

昨年、山口智子さんは、「BS日テレ開局5周年特別企画」のゴッホの足跡をたどる番組で、この森を訪問し、この公園名物「白バイク」に乗って、大はしゃぎでブンブンとばしてました。政府観光局は『ゴッホの森』という愛称をつけているので、ネット検索するときは、その名前でも探してみてください。

ところで、昨年、この周辺でピューマ目撃証言があいつぎ、数カ月もの間、大騒ぎになったことも……。結局、これはデマだと判明したのですけど、自然が豊かで、ピューマが隠れる場所がふんだんにあるため、そんな噂もまことしやかに広がってしまったのでしょう。くわばら、くわばら。 次回はゴッホ美術館の写真をアップします 。


<参考サイト>
オランダ政府観光局 『ゴッホの森』(日本語)
http://www.holland.or.jp/trade/gogh/index.htm

ヘットロー宮殿(一部英語もあり)
http://www.paleishetloo.nl/

デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園(英語)
http://www.hogeveluwe.nl/

オランダ王室公式サイト (皇太子ご一家の写真もあります)
http://koninklijkhuis.nl/index.jsp

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太陽を浴びてうーん、気持ちいいー。ビジターセンター前でうっとりとする彫刻。

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何がご馳走といって、森の空気とお日様の光に勝るものはありません。

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さあ、腹ごしらえもすんだので、自転車に乗ってレッツゴー

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前からチャリンコ軍団が・・・皆、体も大きく、迫力があって、こ、こわい!! 欧州のリゾート地で自転車に乗っている白人は、大概オランダ人だと思って間違いない。

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ロッジの中はガイドツアーで見学可能。開始時間を知らせる時計。

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ロッジ全景。バラ園が敷地内に広がる。

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なんで、こんなにトゲトゲなの? ジャコメッティ風ですね。

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松ものびのびと育っています。森の香りをどうぞ。

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友人が送ってきた、ポストカード。マトリックスとベアトリクスをひっかけてます。真ん中、ウィレム王子。右端、ベアトリクス女王、ナイスバディ! 左、マキシマ王女。こうしたフリーカードが氾濫しています。女王様は懐深い。



るりさんは、「Ecozy.com エコツーリズムと持続可能な観光」というWEBサイトの運営者。世界最大産業である観光が、環境、社会、文化、経済に与える影響とはどんなものなのでしょう? 目からうろこですよ!
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第2回
「サンタがやってきた」
第3回
「レジャーで修士号」
第4回
「インターネットと留学」
第5回
「女王様の誕生日」
第6回
「平和調印の街」
第7回
「EURO 2004サッカー夢の競演」
第8回
「マーケットに行こう」
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「オリンピックこぼれ話」
第10回
「<快適な住まい>が留学成功の鍵」
第11回 「世界最古のプラネタリウム」
第12回 「博物館天国」今年のベストは?
第13回 「ありがとう、かえるくん」
第14回 「チューリップの花便り」
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「トルコ・地中海地方で遊ぶ」


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