エコツアー・ドット・ジェイピー


オランダ留学通信

第14回
チューリップの花便り

upload:2006.6.29


世界一美しい春の庭園「キューケンホフ公園」。32ヘクタールの園内に700万株の球根花が咲き乱れる。


三年寝太郎がカムバック!?

いやはやご無沙汰で、いったいどんなご挨拶で書き始めたらいいのか考えているうち、またまた数カ月経過という始末です。

この1年、療養のため帰国し、そのまま日本で就職をしたものの毎日午前様が続いて、病み上がりにはちとキツイ過酷な職場でした。
とんでもなく時代錯誤で、なかなか笑える仕事環境だったから、これをネタに連載!?という手もありましたが、世間はせまいし、私もそこまで度胸があるわけでもないので、この話はちょっと脇においておきます(笑)。
なにはともあれ無事契約を満了し、今はホッと一息ついているところ。フー。
というわけで、この春、随分久しぶりにオランダへ戻って、しばしの命の洗濯にいそしんで参りました。

さてさて、これからしばらく新しいネタ、以前にアップしきれなかったネタを元に、新旧取り混ぜて連載を再開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
留学したい人、オランダ好きな人、旅が好きな人、異文化好きな人、写真好きな人……。
どうぞごゆるりと立ちよってくださいませ。また質問などがあれば可能な限りお答えしますので、どうぞご遠慮なくエコツアー・ドット・ジェイピー編集部あてにメールをくださいね。

◆◆◆

さて、オランダといえばチューリップ。
チューリップといえば、キューケンホフ公園・・・ここは「世界一美しい春の庭園」と呼ばれています。お花好きの日本人があこがれる、オランダ屈指の観光名所を今回はご紹介させてください。
キューケンホフ −−名前は聞いたことがなくても、花が咲き乱れる園内の様子がイメージ写真で駅の構内に張られていたりするから、多くの人がどこかで目にしたことがあるかもしれません。3月から5月のたった2カ月間だけ開園する贅沢な春のパラダイスです。

実はここ、小さい頃、カレンダーでみて、どこの国かも知らないまま、いつか、必ず行ってみたいとウン十年!?思っていた場所ですけれど、その間、まさか自分がオランダに行くことになるとは露ほども考えていませんでした。縁とは不思議なものですね。
今回は二度目の訪問。今年はオープンを2週間延長するほど春の便りが遅く、通常なら5月半ばは花が終っている頃なのに、開花真っ盛りで絶好のタイミング。
小鳥がさえずり、木漏れ日がキラキラと舞うカラフルな花の絨毯の間を歩いていると、メルヘンの世界に迷い込んだようです。
草花はコリ固まった心をほぐす力がありますね。訪問者は例外なく皆ニコニコ、天使の微笑みかとみまがうほどで、辺りにはフクイクたる香りとともに、ふんわりとした空気が漂っています。

園内で、お年を召した修道女のグループに出会いましたが、感嘆の声をあげて興奮しているさまは、まるで小さな女の子たちのよう……。とても微笑ましい光景でした。神に仕える身ではなくとも、「神様が集う場所はこんなかしら?」と想像をかきたてる花園です。
とはいえ訪問するには運も大切で、1回目は小雨だったし、花のピークも過ぎていて、「あれほどあこがれた『世界一美しい春の庭園』ってここかぁ・・・」と思ったのも事実。
また数週間で80万の来場者があるので、昼間は団体客が押せ押せ。となると、ちょっと違った景色になってしまうから、個人で訪問するならば早朝がお勧め。今年は Early Bird という開園時間を1時間繰り上げる日もあったので要チェック。(通常は8時から19時半開園)

色々なところで紹介されているのでご存知の方も多いかと思いますが、ここでキューケンホフ公園の歴史をおさらい。
15世紀、貴族の狩猟場だったこのエリアに、ヤコバ(Jacoba)男爵夫人が台所で使用する野菜やハーブを植える畑をつくっていました。キューケンホフ “Keuken”というのはキッチン、“hof”はガーデンという意味です。
最初に公園として整備されたのが1830年、ドイツのガーデン景観デザイナー、ゾッヒャー(Zocher)が英国様式に基づき設計したそうです。
その後1949年にリッセ(Lisse)市長の発案で、球根業者を集めた花の展示会が企画されました。現在は、32ヘクタールの敷地に700万株のチューリップ、クロッカス、水仙などの球根花が植えられており、その春景色を一目みようと世界中から観光客がやってきています。

友人が父親の車で来訪した時の思い出は、今よりのんびりした70年代のこと。まるでハワイのレイみたいな大きなウェルカム花輪を車につけてくれたそうです。だから春先の道路には、まるで結婚式みたいにおめかししたキューケンホフ帰りの自動車がたくさん走っていたんですって!
また、おうちに帰れば、その花輪を近所の人がめざとく見つけてやってきて、庭園の土産話が始まり、口コミで瞬く間に評判が広がるといった具合です。なかなかやりますな……。

 オランダ人は“フラワーパワー”を信じていて、花が人々の気持ちを優しくすることを知っているから、折々での花演出が上手です。以前、野外コンサートで、頭上を飛行機が通り過ぎていったあと、バラバラと大量に花の雨が降ってきて感激したことがあります。花のあるところには笑みが、笑みがあるところには幸福が……。お仕事に疲れたすべての日本人に訪ねてもらいたい一押しの場所です。


>>道草小道

ライブドアに村上ファンド、金が踊りバブルがはじける日本。世界初のバブルは、チューリップが投機対象だった17世紀半ばのオランダでした。ちょっと別の側面からオランダ、チューリップを眺めて見たい人にお勧めの本。


るりさんは、「Ecozy.com エコツーリズムと持続可能な観光」というWEBサイトの運営者。世界最大産業である観光が、環境、社会、文化、経済に与える影響とはどんなものなのでしょう? 目からうろこですよ!
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◆オランダ留学通信──これまでの話◆

第1回
第2回
「サンタがやってきた」
第3回
「レジャーで修士号」
第4回
「インターネットと留学」
第5回
「女王様の誕生日」
第6回
「平和調印の街」
第7回
「EURO 2004サッカー夢の競演」
第8回
「マーケットに行こう」
第9回
「オリンピックこぼれ話」
第10回
「<快適な住まい>が留学成功の鍵」
第11回 「世界最古のプラネタリウム」
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第13回 「ありがとう、かえるくん」
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「トルコ・地中海地方で遊ぶ」


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