エコツアー・ドット・ジェイピー


オランダ留学通信

第8回
マーケットに行こう
 


21世紀の今日も、移動マーケットが数百年前と同じような形で健在。とはいえ年々規模は小さくなり、ニューファミリーは郊外のアメリカ風大型ショピングセンターへ車で買出しというスタイルに変わりつつあるようです。


庶民の生活をかいま見るには、市場にでかけるのが手っ取り早い方法です。
ワーゲニンゲンでは、週2回、朝市がたちます。水曜は食品、衣料、雑貨関係、土曜は主に食品と花が売られています。

オランダに来て一番とまどったのが、生活リズムの違いでしょうか。日本の都市では津々浦々にコンビニがあり、24時間いつでもどこでもお買い物ができます。聞くところによると最近の若者は、冷蔵庫を持たない人が増えたとか・・・(住んでいるマンションの1階にあるコンビニが彼らの冷蔵庫がわりなのです)。私も都会出身者なので、コンビニ、深夜営業のスーパーマーケット、営業時間夜9:00までのデパートが生活の一部でした。ところが、ここでは全く勝手が違います。日曜・祝日、ウィンドウショッピングがしたくてもアムステルダムやロッテルダムのような国際観光都市をのぞいて、商店は全店クローズ。土曜日、15分前からドアが半分しまっていて、午後6:00きっかりに閉店。教会勢力が強く、断固として日曜・祝日は聖なる休日なのです。月曜の午前中もほとんどの店が閉まっているし、しょっちゅう国民の祝日があるしで、「君たち商売する気あるんかい?」と思わずつっこみたくなります。<お客様は神様です>という言葉は一切通用せず、痒いところに手が届くサービスは期待しないほうが無難でしょう。ただし、これはオランダに限らず日本以外の国はほとんどそうじゃないかなぁ・・・という印象、お客さまより働く人の権利が大切なのです。

こちらに来た当初、3日連続閉店なんてしょっちゅう。いつが祝日かわからず外食産業も盛んではないので、買い置きがなければあやうく餓死寸前ということに陥ったことも。何度、学生同士の口コミ情報で閉店30分前に買出しへ走ったことか・・・。で、「不便なことこのうえない」、と文句もでるのですが、日本に戻るとあまりの目まぐるしさに、今度はついていけず、雑踏に出ると気分が悪くなってしまう始末です(困ったもんだ・・・)。
昔、カナダ人の教授が「カーローシは日本で大変な問題になっているんだってね」と話しかけてきたので、「何のこっちゃい?」と思ったら<過労死>のことでした。そう、外国には存在しない概念なので、そのまま日本語の過労死が英語になってしまったのです。

朝市では、必ず誰か知り合いにあうので、天気がよければそのままカフェに座っておしゃべりに興じるなんてことも、よくあります。マーケットに出かけるという行為には、必要なものを手に入れるだけではなく、人との交流も含まれているのです。カフェには洒落たBGMなんてないけれど、広場の教会の鐘が、音楽を奏ではじめ(なんとテープではなく手動で演奏しているのだとか)、小鳥のさえずりが伴奏し、心なごむ穏やかな空気が漂っています。ヨーロッパの夏は午後11:00くらいまで明るく、天気が良い日の屋外カフェは涼やかな気候とあいまってとても賑わい、彼らに混じって、隣国ベルギー名物 白ビールやチェリービールを飲みながら雑談に興じるのもストレス発散にはよいものです。

多くのオランダ人が忙しい、忙しいと文句をいってますが、日本人から見るとまだまだ緩やかに時間が流れているような気がします。


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街中に教会の鐘がひびきわたり、異国情緒たっぷり。ここはヨーロッパ、中世の香りがただよってくるようです。

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オランダ初夏の風物詩フレッシュ"にしん"。骨と頭を取り除いてもらったら、尻尾をつまんで、頭の上にかざし、刻み玉ねぎと一緒に生のまま食らいつきます。その姿はえさをもらうアシカのよう(?)。脂がのっててうまーい。"わさび"と"生姜"と"しょうゆ"持参でどうぞ!
4切れ買うとおまけで5ユーロに。
※1ユーロ=135円前後(2004年7月現在)
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国民食のチーズ、種類が多くて圧倒されます。エダム、ゴーダは日本でもよく知られているブランドで、日本では高くて口にはいらないような高級品もここでは気軽に。熟成度や原料にするミルク(牛、ヤギ、羊)で味がかわり、マスタードやハーブ入りも・・・。青と白のカビにまみれたチーズや黒い腐った臭いのチーズは勇気がいり、上級グルメ向け。

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オランダ特産のプーンという魚。水産加工品は高く、貧乏学生の身分ではなかなか食べようという気になれません。そのかわり肉関係は安い。オランダ人は概して食に無頓着で保守的、質素。平均的ヨーロッパ人を日本のデパ地下に連れて行ったら卒倒するんじゃないかしら?

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なんといっても花が欠かせません。オランダの花卉市場は世界最大規模で、サッカースタジアム120個分もあるんだとか。国土の1%が花畑で20,000ヘクタールにもおよび、そのうち44%がチューリップ畑。球根を太らせるため花は無造作に刈り取られ、収穫物の3分の2は輸出にまわります。

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自転車部品売り場。ここでは自転車がないと生きていけません。アフリカ留学生は自転車に乗れない人が多く必死で練習しています。また、あまりにも高身長規格のため、中国の男子留学生達は子供用のマウンテンバイクを使用している人が多い。
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窓掃除用具のデモンストレーション中。窓はいつもピカピカ。外国人がびっくりするのは、夜になってもカーテンをおろさないので、まるでドールハウス状態・・・家の中が丸見えなんです。知人のアメリカ人は目が合ってしまうし、何だか見てはいけないものを見ているような気がして、ずっと下を向いて歩いていたそうです。

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ワッフルはベルギーだけじゃないのだ。ストロープワッフル(Stroopwafel)はお焼きの間にソフトキャラメルをはさんだ感じ・・・けっこう病みつきになる人が多いです。焼きたては香ばしくてうまさ倍増。
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ゴミ捨て場じゃありませんよ! れっきとした中古品のお店です。この手のお店は他にも数店あり、けっこうな人出でいつも賑わってます。別に貧乏だからというわけでもなく、古いものに価値を見出す文化なのでしょう。

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キッチュなデザイン氾濫。平均的なオランダ人がこんな携帯電話を使っているというわけではありません、念のため・・・。電化製品・ハイテク製品に関して言えば、技術・デザインともに日本は3年先をいってます。
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スーパーマーケットで人気のコーヒー無料サービスコーナー。買い物の合間にちょっと一服。ドイツ、イタリア、フランス、スペイン・・・ヨーロッパは植民地から良質の豆を手に入れることができたので、コーヒーが美味しい国が多い。濃くて香りよし。
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野菜自動計量器。計りにのっけて、買った野菜の番号を押し、右下端の<BON>を押すと自動的に値段とグラムが印刷されたシールがでてきます。これをはってレジにもっていけばOK。ヨーロッパは遺伝子組み換え食品に大変敏感、でも農薬はどうなのかなぁ??


 




るりさんは、「Ecozy.com エコツーリズムと持続可能な観光」というWEBサイトの運営者。世界最大産業である観光が、環境、社会、文化、経済に与える影響とはどんなものなのでしょう? 目からうろこですよ!
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◆オランダ留学通信──これまでの話◆

第1回
第2回 「サンタがやってきた」
第3回 「レジャーで修士号」
第4回 「インターネットと留学」
第5回 「女王様の誕生日」
第6回 「平和調印の街」
第7回 「EURO 2004サッカー夢の競演」


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